こんな生活をしています

第3学期始業式

1/16(火)第3学期始業式が行われ、校長先生の感動的な話で始まりました。以下に本文と要約を掲載します。

◎令和5年度第3学期始業式 校長挨拶 

1月2日午後6時前、東京都大田区の羽田空港で、新千歳空港から向かっていた日本航空516便が、着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突しました。

海上保安庁の機体に乗っていた5名が亡くなったが、日本航空(JAL)の乗客乗員379名は、機体が炎上する大変危険な状況の中、適切な避難と救助協力で、全員無事だったことで世界中が驚き、これを奇跡と呼びました。

しかし、これは奇跡ではなく、機体衝突後も安全停止に努めた機長の技術や、パニックを生じさせなかった乗組員の冷静な判断、手荷物一つも持たずに人命優先で避難した多くの乗客の協力があってこそ生まれたものであります。

災害を想定し、日頃の備えや訓練がいかに大切であるかを私たちに教えてくれました。 

また、1月1日午後4時10分、石川県能登半島の北東42kmを震源に、震度7、マグニチュード7.6の地震が発生しました。津波は最大1.2mとなり、海沿いの多くの家屋や人々に甚大な被害を与えました。

地震の被害は、石川県や新潟県、富山県や岐阜県までにおよび、その規模は能登地方としては150年前の明治18年以降で最大となりました。

亡くなった方は220名、行方不明者23名、避難所に避難している人は、383か所で2万2000人にもなり、いまだ元の生活に戻れない状況です。家屋の崩壊は4500棟を超え、今もなお1万2000戸の停電が続いています。

 今から13年前の2011年3月11日の東日本大震災と原子力発電所事故により、1万5000名を超える被害者が出ました。福島県でも1600名を超える方々が犠牲となり、大変な被害がありました。あれから13年が経とうとしています。

復興への道のりは、ゆっくりですが、確実に一歩一歩進んでいます。地震直後には絶望的になり、とてもつらい時や苦しい時が長く続きました。しかし、日本中や世界中からの応援や支援を全面に受けて、地域の皆さんと手を取り合って、互いに協力し、励ましあって、再び立ち上がることができています。

福島県が全国や海外から受けた恩は、皆さんに引き継ぎ、決して忘れてはいけません。困っている人がいたら、進んで手を貸してあげられるような人にならなければなりません。そして、一人ひとりは小さな事でも、みんなが集まれば大きな力となることを知ってほしいと思っています。 

 年末にテレビで、ワールドベースボールクラシックの特集を見ました。

日本代表の栗山英樹監督のインタビューが心に残っています。

彼自身は、選手時代、テスト生として何とかプロ野球選手になれたものの、周囲とのレベルの差に愕然としたそうです。それでも1軍でプレーできるようになると、原因不明のメニエール病を発症し、大きな結果を残すことなく29歳でプロ野球選手を引退します。逆境だらけの人生だったといいます。

 

彼は言います。一流と呼ばれる選手には共通点がある。それは、

「自分で決めたことはやり通す。自分との約束を守り抜いている。」

「自ら進んで練習をしている。」

それは、やろうと思った人なら、誰でもできるものである。

選手たちは特別な人ではなくて、普通の人なのです。

「できるか、できないか」ではなく、

「やるか、やらないか」なのです。

自分が決めて、やり続け、挑戦し続けること。そして、最後まで諦めずに、自分を信じ続けることが大切であると。

 

私は、失敗や挫折が多いほど、人は強くなれると思うし、そんな多くの苦労をしてきた栗山監督だからこそ、逆境に立ち向かう姿勢が、WBCの選手たちを一つにして、アメリカに挑戦し、世界一になれたのでしょう。

栗山監督の言葉「夢は正夢」。夢は見るものではない。叶えるもの。は有名ですね。

 

 今年も新年を迎え、私たちも学問や部活動、資格取得、進路実現など、それぞれの夢や希望、目標に向けて、一歩一歩、邁進していくときです。

努力すればするほど、誰しもが困難や壁に直面し、失敗し、挫折しそうになります。そんな時、立ち直る力があるかどうかが、その逆境を乗り越えることができるかどうかの分かれ道となります。

成功の影にはその何倍もの失敗があります。

 

自分の可能性をしっかり信じ、チャレンジする精神をいつまでも持ち続け、決して、くじけることなく、強い意思と弛まぬ努力で、夢の実現に向かって

突き進んでほしいと思います。

今年も皆さんにとって素晴らしい一年になることを祈念して始業式の挨拶とします。

 

令和6年1月16日

福島県立白河実業高等学校長

 

要約:

校長先生の言葉は、令和5年度の第3学期始業式で、学生たちの心に深く響くものでした。

先生は、最近の羽田空港の航空機事故と能登半島の大地震を引き合いに出し、危機の中での連帯と勇気の価値を強調しました。これらの出来事は、困難な時でも互いに支え合い、一致団結することの大切さを私たちに教えてくれます。

また、東日本大震災の教訓を思い起こし、校長は困難を乗り越えるための共同体の力を熱く語りました。私たちが直面する困難や挑戦は、単なる障害ではなく、成長と進化の機会であることを教えてくれます。

栗山英樹監督の「やるかやらないか」という言葉を用いて、校長は夢を追い続ける精神の重要性を訴えました。私たちの目標に向かって努力し、逆境にも屈しない強い意志を持つことが、成功への鍵であると強調しました。

最後に、校長先生は生徒たちに向けて、希望に満ちた素晴らしい一年になるよう祈りを込めて挨拶を締めくくりました。この言葉は、私たち一人一人が自分の可能性を信じ、夢に向かって果敢に挑戦する勇気を与えてくれました。

進路指導部より、2年生には令和6年度のスケジュール、今後の進路活動に向けた話がありました。

3年生は残りわずかな高校生活となりました。有終の美を飾れるよう、残りの期間も学習に励んでください。